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このトンネル、さっきと雰囲気が違うような気がする
空気が…重い…?
あと、こんな長かったっけ?
「どうした?リン」
キョロキョロしていると隣の船長に話しかけられる
「何か、さっきと雰囲気が違うような気がして…」
「そうか?俺は変わらないような気がするが…」
じゃあ…気のせい…かな…
そうだといいんだけど
「どう違う?」
「えっと…。何というか…空気が重い…ような…」
「僕もそれ思いました!」
「カズキさんもですか?」
ドンッ
「ひっ!」
後ろから、何かぶつかった音が響く
「なんだ、今の」
全員聞こえていたらしく、立ち止まっていた
思わず振り向いちゃったけど、大丈夫かな…
「取り敢えず、早く行くぞ。長居はしたくねぇ」
船長の声に、皆再び歩きだす
そういえばお姉ちゃんも長居したくないって言ってたっけ
確かに、トンネルだから暗いし、ちょっと気味が悪い
警戒しながら行こう
しばらく歩くとようやく先に光が見え、何事もなくトンネルを抜ける事が出来た
長かった…
お姉ちゃんは、まだ目が覚める気配がなくヒカルさんの背中で寝ている
「えっと。僕、ユウナさんの容態を診たいと思うんですけど、どこで…」
「それなら、近くに俺の別荘があるぞ。そこ向かおうか」
ウィンクして答える船長
「えっ、別荘!?」
船長が?
「なんだ?別荘持ってちゃあいけねぇか?」
「いえ、そう言うわけでは」
必死に首を横にふり、否定する
「とにかく、そこに行くしかなさそうっす」
「そうだね。他に行く宛もなさそうだし」
「じゃあ、決まりだな」
ということで、私たちは船長の別荘に向かうことになった
別荘があるということは、船長ってかなり金持ちのでは?
「船長って、出身は何処なんですか?」
「俺か?うーん。それは、秘密だ」
船長は人差し指を口元に当てて、微笑んでそう答えた
本当にこの人のこと、秘密が多すぎてよく分からない
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