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「着いたぞ。ここだ」
凄い、此処に別荘があるなんて
しかも、手入れがされてる
管理が行き届いてるんだ
「もともと俺のばぁちゃんが住んでたんだが、亡くなってからは、誰も住んでないんだ。だからたまに、俺が掃除に来ている」
「そうだったんですね」
「あぁ。まぁ、好きに使ってくれ。お前らも休んでいけよ」
「ありがとう。船長」
「お邪魔します」
ひとまず、お姉ちゃんをベッドに寝かせる
そして、カズキさんの診察が始まった
「う~ん。診た感じ体の方は異常なさそうですね。そのうち目覚めると思います」
聴診器を外し、カズキさんは言う
取り敢えず、一安心かな
「ただ、問題は起きてからですね。いつものユウナさんに戻っているかどうか…」
「そう…ですよね…」
まだ心配の要素は消えた訳じゃない
「なぁ、お前らは一緒だったんだろ?どんな様子だったんだ」
「様子…様子は…」
「まず、歩行が覚束ない感じだったね。フラフラして危なかった」
「それで、トンネル抜けたとたん道を外れて森へ行こうとしてました。私とヒカルさんで止めたんですけど」
「行かなきゃっとしか言わなかった」
「行かなきゃ?」
行かなきゃって何処になんだろう
「取り憑かれちまったか」
「のようだね」
「なんとかしなきゃマズいのでは?」
確かに、このままではお姉ちゃんが危ないし、取り憑いてる霊だって魔神とかになりかねない
魔神に取り憑かれ崖から落とされかけたり、取り憑かれた人に襲われ殺されかけたり
私も身を以て経験しているから、危険なのはよく分かる
「でも、どうする?離れてって言って素直に応じて来るかな?」
「それはどうなんでしょう…」
「とにかく、ユウナが起きるのを待つしかないすね」
「そうだな。まぁ、とにかく今は休憩だな。茶でも買って来るからそれ飲んで休め」
「あ、じゃあ私も…」
手伝おうと立ち上がるも、ヒカルさんに止められる
「俺が行くよ。君はお姉さんのそばにいてあげて」
そう言い、ヒカルさんは優しく微笑む
船長も、そうしろと言われた
心配している私を、気づかってくれてるのかな
「は、はい」
私は、再びその場に座り込む
私の頭をポンポン軽く叩き、2人で出ていった
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