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グラニーとの戦いが終わり、街はすっかり落ち着きを取り戻した
そして、賑わっている
今夜は夏祭り
私達はその準備に取りかかっていた
約1週間に渡って執り行うわけだけど
最初の3日間は私の都合や中止とかで参加できなかった
そして今日はメインイベントがある最終日
「リン!ちょっとこっち来て!」
そう私を呼ぶのは幼なじみのユメカ
「早く早く!」
「ハイハイ。どうしたの?」
「お客さん」
ユメカが指す先には船長を初めとするカメリア海賊の皆さん
「よっ。結構賑わってるな」
その中には私のお姉ちゃんもいる
魔神に狙われ襲われたところをこの人たちに助けられた
「皆さん。まだ準備中なのに早いですね」
「まぁ、始まるまで暇でよ。お前の様子を見にきた」
「へぇ~。あともうちょっとじゃない。素敵ねぇ~」
周りを見渡すお姉ちゃん
とても楽しそう
「それにユメカちゃんも元気そうね」
「お陰さまで」
ユメカは、魔神グラニーに拉致され私たちが駆け付けた頃には危険な状態だった
無事、救出してからは徐々に回復しつつある
「あの時はどうなることかと思ったけど」
「あはは。本当にごめんね」
ユメカは彼らが海賊だってことは知っている
私が仲間入りしたことも
その時のユメカの心境は複雑なものだっただろう
でも、こう言っていた
素敵な仲間が増えたねと
「まぁ、お前らが元気そうで何よりだ。これ以上準備の邪魔しちぁわりぃから他のとこも見てくか」
「そうだね」
「じゃリン。また後でね」
「うん。お店見に来てね」
お姉ちゃんたちを見送ると、作業に戻る
そして夜、祭り開始の狼煙が上がる
この時から、トラブルが起こり初めていた事に
私はまだ知るよしもなかった
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