8人が本棚に入れています
本棚に追加
2人が部屋を出てから数分
「…ん、んん…」
お姉ちゃんが目を覚ます
「あ、お姉ちゃん」
私の声に皆も近寄る
「……」
お姉ちゃんは、ただ私を見つめる
「リン。どうしたの?」
ようやく言葉を発するお姉ちゃん
そして、周りを見渡す
「船長とヒカルは?此処はどこ?」
「此処は船長の別荘ですよ。2人は飲み物を買いに出ましたよ」
「そっか。えっ?別荘?」
良かった。いつものお姉ちゃんだ
てか、やっぱり別荘に驚いたか
「もう。心配したよ。いきなり森へ向かおうとするんだもん」
「…そうだったの?」
覚えてないんだ
「ごめんね。なんかトンネル抜けたのは覚えてるんだけど、その後が思い出せない」
「そうなの?」
「まぁ、とにかく。怪我もないですし、無事で良かったですよ」
「そうすね」
本当にごめん。と申し訳なさそうに謝るお姉ちゃん
しばらくして、玄関の扉が開く音がする
飲み物を買いに行ってた2人が戻って来た
「お、目覚めたか」
部屋に入って来て船長は言う
「まぁ、飲み物買って来たから。とりあえず飲め」
「ありがとうございます」
袋の中から、リンゴジュースを選び一口飲む
やっぱり美味しいし落ち着く
「ところで、あの時何があったんだ?」
「それがね。さっきも話してたんだけど、あまり覚えてないのよ。トンネル抜けたところまでは覚えてるわ」
「え?そうなの?」
「うん。何があったのか、こっちが聞きたいくらい。少しリンから聞いたけど」
「お前、行かなきゃ行かなきゃって言いながら道を外れ森へ入ろうとしたらしいぞ」
「しかも、かなりフラフラで歩いてたよ」
「そうだったんだ」
「本当に覚えてないんだ」
うん。とお姉ちゃんは頷く
何故か首の後ろを気にしていた
「でも、首が痛いような…」
「何でだろうね…」
そう言い、目をそらすヒカルさん
その様子をお姉ちゃんは、見逃さなかった
「原因は、あなたね」
「何故分かった。…いたっ!」
ゴツンといい音がする。お姉ちゃんのゲンコツ痛いだろうなぁ
「し、仕方ないだろう。君を止めるためだったんだよ」
「あのねぇ。加減というものを知りなさい!加減を!」
そう言うと、お姉ちゃんはフゥ―とひと息つく
「でも、感謝してるわ。ありがとう」
「あぁ、うん」
「で、どうするんだ?このままってわけにはいかねぇだろ?」
「その事なんだけどね、考えてがあるの」
最初のコメントを投稿しよう!