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再び、印をつけながら進んで行く
また、しばらくは一本道だった
少し遠くで水が流れる音がする。川があるのだろうか
お姉ちゃんの直感を信じてこの道に進んだけど、大丈夫かな…
でも、道があるってことは誰かしら通ってはいるんだよね
この先に何があるんだろう
そう思いながら進んでいくと、だんだんと答えが見えてくる
ひらけた場所にたどり着く
奥には流れる滝
とても良い景色
「ここね…」
お姉ちゃんは小さく呟く
「…お姉ちゃん?」
声をかけるも、反応せず目を瞑っていた
その様子に、ただヒカルさんと顔を見合わせる
「……」
そしてお姉ちゃんはゆっくり目を開ける
いや、違う
思わず後ずさる
「お姉ちゃんじゃない…」
「えっ?」
驚いたヒカルさんは、お姉ちゃんを見る
お姉ちゃん。いや、女の子はこちらを見て微笑む
「ありがとう。お兄さんお姉さん」
そう言うと、膝から崩れ落ちる
「なっ、おい!」
咄嗟の判断で支えるヒカルさん
「だ、大丈夫よ」
そう言うとすぐ起き、ゆっくりと立ち上がる
今、お姉ちゃん…だよね?
「…行ってらっしゃい」
お姉ちゃんは真正面を見つめて呟く
「あっ…」
一瞬だけど向こうへ走っていく子供の姿が見えた気がした
「今のは…」
どうやらヒカルさんにも見えたらしい
「良かったね」
「お姉ちゃん、もしかして」
「うん。あの子、私から離れて行っちゃった」
「じゃあ、この場所が?」
「そう。行きたかった場所みたいね」
見て。とお姉ちゃんは前を指す
そこには無数の光が漂っていた
そして、空へ向かって飛んでいく
「当時、遠足で此処に来てたのね。夢の中この場所であの子に会ったの」
「そうだったんだ」
「学校から、歩いて此処に向かって、昼休憩したあと、また別の所に行く予定だったみたいよ」
「だけど、事故に巻込まれちゃった…」
トンネルができたのはつい最近。
事故当時は、無かったらしい
崖崩れが起きてから、それ防止に造られたのだとか
空に飛んでは消えていく光を私達は、ただ見守っていた
そして最後には、他よりも大きい光
それはだんだんと人の形になっていく
引率の女性教師だろうか
私達にお辞儀すると、消えていった
「行っちゃったね」
「うん」
消えたあとも、ただこの景色を眺めていた
「おーい…」
遠くから声が聞こえる
「船長たちだ」
3人ともこちらに駆け寄ってくる
「大丈夫か?お前ら」
「えぇ、皆無事よ。よく此処が分かったね」
「まぁ、目印がありましたから。ヒカルさんのだとすぐ特定できましたし、それ辿ってきました。無事でなによりです」
「でも、何でこんなとこにいたんだ?」
「まぁ、いろいろと。おかげで解決できたよ」
「「「解決!?」」」
3人とも凄い驚いてる
「とりあえず、戻るぞ。話はその後だ」
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