第二話(春臣side)

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第二話(春臣side)

“くるしい、しんじゃう…。” そそり勃つ魔羅は喉の奥までも貫く。息ができず、春臣は苦しさで生理的な涙を溢した。 「あっ、あ"ぅ"っ… 」 喉の奥を打ちつけられるたびに汚い嗚咽が漏れるが、頭をしっかりと押さえつけられているため逃げることすら叶わない。 やがて男が白濁を放ち、魔羅を抜く。生臭く、ねっとりとした白濁は喉に絡みつく。 げほげほと春臣が咳き込むと、口から落ちた白濁が床を汚した。 「飲めって言っただろうが!!もう一回だ!!」 男が再び春臣の口に屹立をねじり込み、喉への拷問が始まった。 “ぼくはわるいこだからしかたないけれど…。” 何度自分に言い聞かせても、辛さや苦しさは消えない。 春臣は、しばしば悪い子供だと言われ続けてきた。何が悪いのか、自分ではよくわからなかったけれど、きっと周りがそう言うのだからそうなのだろう。 春臣は、母親が死んでから幾つかの家を転々として、最終的にはこの娼館に売られた。2年前のことだ。 娼館のオメガは、発情期が来るまでは口や手、ときには身体の一部を使いながら、毎日誰かの性欲処理人形として扱われる。そして発情期が来るとまだ何も知らない孔に知りもしない人間の陰茎を捻じ込まれる。 好きでもない相手にそうされることは酷く悲しいことだと、すでに発情期を迎えた人たちは言う。 しかし、この行為よりはマシだと春臣は思う。 金を払い娼館に来た客も、抱く相手には愛を囁く。その声を春臣は聞いたことがある。愛おしげに名前を呼ばれるのなら、それでいい。優しく撫でて抱きしめてもらえるなら、それがいい。 二度目の射精までの時間は長く、男が白濁を放つまでに一度意識が飛びそうになった。それを髪を引っ張り引き戻し、男は春臣に言った。 “今度こそちゃんと飲めよ。” 言葉通りになんとか飲み込むと、今度はお前なんかいなくなってしまえと何度も言われた。 泣き出してしまいそうなのをなんとか耐えて、からからののどで紡ぎ出したごめんなさいの言葉は、男の耳は届くかもしれないが、心の中には響かないのだろう。
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