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一通り話し終わると、シゲが首を捻った。
「つぅ事はよ、オメェは居もしねぇ弟の為に、人を一人、殺っちまったって事か?」
「弁護士の言葉を全面的に信じるならですけどね」
頷く寿史にシゲが畳み掛ける。
「しかも、オマワリの野郎共は、オメェをストーカーに仕立て上げようとしてるって事だろ?」
寿史が更に頷くと、レンが口を開いた。
「寿史さん、ストーカーの方は本当にやってないの?」
「ああ。弟から写真は見せられて、女の顔は知ってたけどな。
殺した日が初対面だ。
弁護士の話だと、俺があの女の家にプロポーズしに行った事になってるけど。
俺、アイツの家すら知らねぇし」
シゲとレンは訝しそうに寿史を見るが、寿史としても狐に摘まれたような心持ちだ。
そんな目で見つめられても、何も出てこない。
肩を竦めて、話を終わらせようとしたら、レンが「あっ!」と声を上げた。
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