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「俺は……。あの女をどうしても許せなかった」 呟き声に嗚咽が混じる。 落涙が頬を伝って首筋に流れるが、拭く気にもなれない。 暫く、誰も口をきかなかった。 「辛かったんだね」 不意に年配の警察官が言った。 若い警察官が何か言い掛けたのを遮り、彼は続けた。 「君の話はよく分かった。今日は疲れただろう。 私達は今の話を元に資料を作る。 君は部屋に戻りなさい」 そのまま寿史は居室に戻された。
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