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「え? それじゃあ、オメェの記憶では昨日の夜、夜中まで、その医者と面会してたって事になってるのか? それ、死んだ弁護士が言ってる通り、誰かに記憶をすり替えられたとしか思えねぇ。 って、昨日、医者と面会するまでは普通だったんだろ?」 「いや、弁護士は死んでない。事故に遭って、重体ってだけで」 訂正すると、シゲは面倒臭そうに舌打ちした。 「そこじゃねぇ。そうじゃなくて。 オメェはその医者と面会したした後から、記憶がすり替わったって事だろって言ってんだ。 もう間違いねぇ。その医者が犯人だ」 ビシッと人差し指を寿史に向けるシゲにレンも同調する。 「そうだね。そうとしか思えない。寿史さん、その医者、恐らく偽医者だよ」 興奮気味の二人を交互に見た後、寿史は首を振った。 「いや、先生は俺が唯一信頼する人だ。 今のNPOに通い始めて以降、ずっと世話になってる。 忙しい時でも親身になって悩みとか聞いてくれるし。 それに。 あの人が処方してくれる薬を飲むと、気分が安定して仕事でもミスしにくくなる」 何か言いたそうなシゲを手で制し、寿史は言い切った。 「恩人だよ。先生が俺にそんな酷い事をするなんて考えたくない」
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