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「しかしお前、よく寝るな。ここに来て、寝てばっかりじゃねぇか」 そう言われても、眠いのだから、仕方がない。 「だって、暇じゃないですか。眠るしかないでしょ?」 口を尖らせると、そこに書物(かきもの)をしていたレンが割り込んできた。 「いや、普通、そんなに寝れないよ。 仕事をしてた時はいくらでも寝れたけど。 ここ、暇だし、心えぐられることばっか言われるし。 グースカピースカ眠れる奴はそうそう居ないって。 寿史さん、意外に図太いっすよね」 「そうなんだよ。実は俺も前々から思ってたんだ。 寿史、オメェ、相当図太いよな。 それなのに、あの医者ときたら。 繊細とか、云々ぬかしやがって。 もしかして、繊細だって思い込ませようとしてるんじゃねぇのか? アイツの『治療』を受けさせる為にさぁ」 すると、レンがビシッとシゲを指差す。 「シゲさん、それだ! あの医者、胡散臭過ぎだもん。 寿史さんはやっぱりアイツに操られてるんだ」
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