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4.新しい秩序の意味
暫くして、占い師が社長室に入ろうとして秘書に制止された。男は社長室の外が騒がしいのでドアを開けて占い師を社長室に入れた。
「お父様は、あなたが各国の首脳に、同じメッセージを流したことで世界大戦が起きると言っています」
「俺は、各国の首脳たちに、あなたの国は栄え、他の国はあなたの国に賛同する。新しい秩序はあなたの力にかかっていると霊能者に言わせただけだ」
男はツイッターで呟くような軽い気持ちだった。
「各国の首脳は先制攻撃で、世界の覇者になれると思ったのです」
「なぜ、それが先制攻撃になるのだ?」
(新しい秩序はあなたの力にかかっているという言葉が先制攻撃と解釈されたということか? )
男は唸ると、顔を紅潮させて机をたたいた。
「霊能者のたわごとで、戦争が起きるわけがない」
「霊能者は各国の首脳に信頼されているのです」
突然、警戒警報が鳴り、男が窓の外を見た。
大きなロケットが落ちる瞬間だった。
「戦争は、だめだ。各国の首脳に連絡しろ!」
男がそう言った瞬間、閃光が世界を包み込んだ。
「大丈夫ですか?」
「……うう、俺は助かったのか?」
男はうつろな目で若者に言った。
「何言っているのです? お客さん」
飲み屋の店員が言った。
どうやら、男は飲み過ぎて寝てしまったらしい。
男は夢でよかったと安堵した。
テーブルには飲み残したビールのジョッキがあった。
男はジョッキに手を伸ばして飲みほそうとしたが止めた。
「戦争はだめだ」
と男は呟くと席を立った。
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