Rain

柏原西高の情勢

この長浜英一と横峰雅貴（まっくん）の二人とは地元が一緒どころか幼稚園からの幼馴染だ。小学校の頃から一緒に他校と喧嘩をしていた。

この３人の中で１番強い奴が誰かは決めていなかったのだが、
中学２年の時に、英一が惚れている女を「大阪産もち豚」と俺がからかった事が原因で喧嘩になり俺が勝ってからそういった順位がついた。

英一とまっくんがやりあったのは見た事がなく、
中学３年の時に、まっくんが負けた他中の奴を、英一が一人で報復しに行って勝った事があり、自然とまっくんより英一の方が強いとなっていた。

「あのさ、矢崎」
ケーの少し真面目なトーンの声が俺の耳に入る。

「さっきのTwittenerの寝屋川の奴どーするん？」

「まだ言うてんのかいな」

「矢崎、高2の時言うてたやん。北大阪の奴らともやってみたいなって。
喧嘩するんに区切りつけるんは・・・・まぁ分かんねんけど
やってもええんちゃう？・・・卒業までええやん。
団体戦やったらええんちゃうん？」

「そんなん言うてへんやろ！？自分からふっかけて喧嘩した事ないぞ！」

「・・・うん、まぁ、そんなん言うてへんけど」

「どんな嘘やねん！どんだけ喧嘩したいねん！」

「じゃあ、まあ、元柏原No,1の報復という事で・・・」

「もうええいうねん。俺は高校卒業前に喧嘩を卒業したんや。んで高校卒業して、大学に入学するんや」

「でけへんやん！思いっきり就職やろ！」

「喧嘩せえへん方が気楽でええやん」
なぜだか俺は少し拳を握り締めていた。原口をバックに自撮りしている
男の目が、記憶の中から睨みつけるからだ。

「いや、俺もTwittenerでこんなんやってるって知らんかったら言うてないってー。これ見てみ、矢崎。Twittenerで矢崎の名前検索したらこんなにヒットすんねんで！」
ケーはまたスマホの画面を俺に近付けた。

　ツイート　南河内の矢崎とタイマンしたいわー

　ツイート　柏原西高の矢崎って知ってる？げっさ強いらしい

　ツイート　矢崎！殺す！柏原占めたる！！

ツイート　吹田で頭張ってんねんけど、南河内の矢崎がこれ見てたら連絡せえや。