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「やるんか?やるんか?」
まっくんもTwittenerをしてるので戸塚がこっちに向かっている事を
知っているのだろう。
笑みを浮かべながら、助手席から降りてきた。
笑うと優しい顔なのに、素に戻ると鋭い目線になり怖さが漂う。
GAPを兼ねた顔だ。
小学校の時に極真空手をやっていたからか肩幅が広く、筋肉質。
それにしてもヤケに楽しそうだ。
「どうすんの?」
運転席から降りてきた英一。ドレッドの髪をゴムを使わずに前髪を後ろの髪で巻きながら言う。
英一の顔は可愛いタイプで、
体形もガッチリではなく喧嘩が強いとは程遠い容姿をしていて、
俺の仲間の中で一番お洒落だ。
私服もそうなのだが、今着ている制服もカッコよく着こなしている。
柏西の制服は紺色のジャケットに薄めのグレーのスラックス。
英一は中の白色のカッターシャツ(制服ではない)の襟をジャケットから出し、
ボタンを上から二つ程外してそこからインナーの黒シャツを覗かせている。
こんな少しの事で凄くお洒落に見えてしまう。
「やれへんよ」
「そっか。まあ、もう喧嘩はせえへんって言うてたもんなー」
そう言えば、英一には高校3年に上がった時によくその話をしていた。
「なーんや、久しぶりに暴れられる思ったわー」
まっくんは残念そうだ。
喧嘩をしない事を逃げていると感じているのはケーぐらいだろう。
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