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俺たちはブタニクンとは違う中央階段を降りた。
いつもは下駄箱へ着く迄に他の仲間と合流する。
だが今日隣にいるのはケーだけだ。
多分あいつらは早退をして、いつもたむろしているコンビニにいるのだろう、と大体予想がつく。
「ケー、皆はコンビニ?」
最近買った黒のコンバースのハイカット。
それを大事そうに履きながらケーがスマホをポケットから出している。
「オオ、6時限目にTwittenerでコンビニで買った
極上肉まんの画像UPしてた」
「くそっええなっ、俺も早退したらよかったな」
俺は靴を履き替え、大きな木の枠のドアを開けると、
聞きたくもない野球部のかけ声が聞こえてきた。
「今日もうっさいなー、ケー、ちょっとあいつら止めてきて」
「嫌や!めんどくさい!」
そんなやり取りにも遠慮なく割り込んでくるその声。
それが木霊する中庭をぬけて校門へと歩き始めた。
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