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 小さな紙袋にそれを入れてくれたものを受け取り、再び混雑する売場を抜けて下りエスカレーターに辿り着く。  絶対、売場の空気薄かった。ライブかと思った。  エスカレーターに乗ってほっと息をつく。  それと共に、実感が沸いてきた。  プレゼントをあげるなんて、17歳の時以来だ。あの時の玲次は斜に構えてて、ありがとうさえ言ってくれなかったけど、今回はどうなんだろう。  喜んでくれるのかな。  ちゃんと、嬉しい顔してくれるのかな。  それって、どんな顔なんだろう。  ずっとずっと、僕が好きな玲次。  その玲次の見たことない、新しい表情が今になって見られるってことかなぁ。  そう思うと、何も贈れなかった27年間も、悪くないかも。  ね?
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