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ボーン公園
人ごみと排気ガスで汚れたこの街も、梅雨の晴れ間の早朝は空気が澄んでいる。
清々しい天気とは裏腹に、10年前に購入したカラフルなランニングウェアにたるんだビールっ腹をしまい込む僕の姿はなんとも暑苦しくて恥ずかしいが、早朝ランを断って桃子に無視されるよりはマシだった。
「まりあさんに言われたのよ」と、言われればそれは絶対である。
走る時間とコースまで指定されてげんなりだったが、早朝の街には僕みたいなおっさんランナーがわりといて、やらされている感たっぷりにブヨブヨの身体で這っている彼らを見ていると、なんとなくホッとした。
と、その同朋たちが続々と目の前の公園へ吸い込まれていく。
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