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田戸倉という男
特殊第６部隊。
正式名称、テロ対策及び世界情勢情報収集班。
この国、竜華燕国国王宮廷の西棟（通称：特部棟）に設置された特殊部隊の一隊だ。
国の暗部を担う部署であるため、選りすぐりのエリートが集められている。
一説にはスパイ部隊も存在していると噂される特殊部隊の詳細は、公に語られることはなく、密やかに存在し、活動していた。
そんな都市伝説のような部隊に、田戸倉末高という男がいる。
階級は一等兵佐。
預かる隊は第６部隊。
そんな機密部隊の人間だと周りにバレないために、通常は一等兵佐と階級で呼ばず、” 部長 ” と一般企業の役職を用いて呼ばれる。
ゆえにこの男は、田戸倉部長と呼ばれていた。
この田戸倉部長、実は超が付く程の問題児で、変人である。
特殊第６部隊の隊員は、この部長の趣味が表に漏れることを心底心配し、また漏らしてはならないと考えていた。
自分達の仕事である、スパイ活動諸々含めた機密情報以上に、である。
その、絶対にバレてはならない趣味。
それは、この国の国王陛下―― 鈴香牧に引き取られた、宮木の名字を持つ子供達をストーカーすることだった。
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