16人が本棚に入れています
本棚に追加
依頼
牧の言うアテとは何だろう? とりなと同じように首を傾げること15分後。
「田戸倉、いるか?」
ノックもなしに、特殊部隊のトップである統括司令官、大隅重忠がやってきた。
大柄な強面の男で、混迷の世をのらりくらりと暗躍して生き抜いた一人である。
「大隅司令官、どうなさったんで?」
3台のパソコン画面を食い入るように凝視しながら、手元ではチョコレートを湯煎で溶かしている。
「……それは、今日のおやつか?」
「まさか。嬉し恥ずかしバレンタインデー!! の準備を、念入りに!!」
「ああ、もうそんな時期か。今年もあの子達には大量に届くだろうな、チョコレート」
「そりゃあもうっっ!! あの子らは国宝級に素敵な子達ですからっっ」
「毎年、” 頂いたものは全て、孤児院等へ寄付します ” と宣言して、全て開封することなく送っているが、いいのか? それでも?」
「一つでも多く届いた方が、あの子らは嬉しいでしょう?」
げんなりしながら安全確認作業をあの子らがしているの、知っているだろうにと大隅司令官は心の中で思った。
最初のコメントを投稿しよう!