依頼

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 牧の言うアテとは何だろう? とりなと同じように首を傾げること15分後。 「田戸倉、いるか?」  ノックもなしに、特殊(とくしゅ)部隊のトップである統括(とうかつ)司令官、大隅(おおすみ)重忠(しげただ)がやってきた。   大柄な強面(こわもて)の男で、混迷(こんめい)の世をのらりくらりと暗躍(あんやく)して生き抜いた一人である。 「大隅司令官、どうなさったんで?」  3台のパソコン画面を食い入るように凝視(ぎょうし)しながら、手元ではチョコレートを湯煎(ゆせん)で溶かしている。 「……それは、今日のおやつか?」 「まさか。嬉し恥ずかしバレンタインデー!! の準備を、念入りに!!」 「ああ、もうそんな時期か。今年もあの子達には大量に届くだろうな、チョコレート」 「そりゃあもうっっ!!  あの子らは国宝級に素敵な子達ですからっっ」 「毎年、” 頂いたものは全て、孤児院(こじいん)等へ寄付(きふ)します ” と宣言して、全て開封することなく送っているが、いいのか? それでも?」 「一つでも多く届いた方が、あの子らは嬉しいでしょう?」  げんなりしながら安全確認作業をあの子らがしているの、知っているだろうにと大隅司令官は心の中で思った。
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