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「事実から目を逸らす者は己の弱みと向き合えない。そういう態度ではいつまでたっても野球は上手くならないぞ」
「そういうことじゃないと思います!」
俺はまだ立てなかったので、尻もちをついたまま監督と向かい合っていた。
「その、か、監督とか狐野みたいに、人間じゃない人は、この学校には何人いるんですか……?」
「お前が自分の目で確かめればいいたけの話なんだが」
俺は首を振った。
「む、無理です。こ、ここ心の準備ができてない……」
「ここぞというときに打てないメンタルは、こういうところから来ているわけだな」
「今俺の野球をディスんのやめてくれます?! で、どうなんですか?!」
監督はゆったりとした雰囲気で喋った。
「全校の四分の一……」
俺は目を見開き、息を飲んだ。
「よ、四分の一も!!」
「……が、人間だから、残りが私たちのような者達だ」
俺は頭が空転した。
「……え?」
「少数派は人間の方だ」
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