狐野君はヤバイ

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監督との話を終え、俺はふらふらしながら練習の輪に入った。30分前までの俺が恥ずかしい。 途中、狐野と目が合った。 「俺……さっき酷いこと言って、すまなかった」 「……」 やや間があって狐野は微笑んだ。 「誰だって間違いはするさ。大事なのは、間違いをしたその後、どうふるまうかだ。俺は気にしてないから」 「狐野……」 狐野はこの上なく爽やかな笑顔を見せ、俺の背中を叩いた。ドンマイ、ドンマイ、と言われ皆の中に入るよう促されると、俺は熱いものが目の奥から込み上げてきた。 狐野はやっぱりヤバイ。 思い込みに凝り固まっていたこんなちっぽけな俺を受け入れてくれる。少数派の俺に偏見なく接してくれる。 なんてヤツなんだ。 狐野の投球を俺たちで盛り立てていこう。 俺はそう誓った。 〈了〉
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