青い絵の秘密。

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 「えっ…」 部屋の中には、バラバラにされた人の遺体が散乱していた。 「え…え…」 忍は悲鳴を上げることも忘れて唖然としていると、突如頭部に強い衝撃を受けて床に倒れ、頭部を抑えて振り返ると、そこには、金属バット片手に、妖しく笑う葵がいた。 「これが、私の絵の秘密。満足したら、もう眠ってね」 葵が金属バットを振り上げると鈍い音がして忍の頭が凹み、忍は息絶えた。  「済んだのか?」 繋ぎの作業服を着た司が部屋のクローゼットから出てきて、血まみれで息絶えた忍を一瞥した。 「ええ。驚きすぎて悲鳴も上げない、というあなたの見立て通り」 「だろう?」 「ねえ、早くこれを作業台の上に載せて」 「ああ…」 葵はウキウキと司に指示を出して、息絶えた忍の体を作業台の上に載せた。作業台の上には、既に多数ののこぎりその他刃物全般が準備されていた。 「君は、遺体を切り刻む時本当に楽しそうだね」 「ええ、そうね。こんな楽しいこと、他に無いわ」 「全く…君みたいな人間を化け物と言うんだろうね」 「その化け物に付き合っているあなたも、十分に化け物じゃない」 The End.
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加