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「えっ…」
部屋の中には、バラバラにされた人の遺体が散乱していた。
「え…え…」
忍は悲鳴を上げることも忘れて唖然としていると、突如頭部に強い衝撃を受けて床に倒れ、頭部を抑えて振り返ると、そこには、金属バット片手に、妖しく笑う葵がいた。
「これが、私の絵の秘密。満足したら、もう眠ってね」
葵が金属バットを振り上げると鈍い音がして忍の頭が凹み、忍は息絶えた。
「済んだのか?」
繋ぎの作業服を着た司が部屋のクローゼットから出てきて、血まみれで息絶えた忍を一瞥した。
「ええ。驚きすぎて悲鳴も上げない、というあなたの見立て通り」
「だろう?」
「ねえ、早くこれを作業台の上に載せて」
「ああ…」
葵はウキウキと司に指示を出して、息絶えた忍の体を作業台の上に載せた。作業台の上には、既に多数ののこぎりその他刃物全般が準備されていた。
「君は、遺体を切り刻む時本当に楽しそうだね」
「ええ、そうね。こんな楽しいこと、他に無いわ」
「全く…君みたいな人間を化け物と言うんだろうね」
「その化け物に付き合っているあなたも、十分に化け物じゃない」
The End.
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