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化物物語
とあるカラオケボックスにて。
「わあ、素敵~」
「すげー」
「こんなに素晴らしい歌は初めてだわ。ねえ、これどんな曲?」
歌い終わったあと、数人の女子学生達による盛大な拍手を受け、そのあと質問されて、1人の男子学生はそれに答えた。
「何か、アニメの曲らしいんだけど」
「へえ。それ、どんなアニメ?」
「実はよく知らないんだ」
「え?」
「何か調べたら、カラオケのアニメ部門のベスト10に入ってたけど」
「へえ、そりゃそうよね、こんなにいい曲なんだし。みんな知らないの、どんなアニメか」
「知らない」
「知らん」
「そうかあ、君達の誰も知らない物語なんだ」
「だけど歌ってる間モニターにはドラマが映ってたじゃない?実写版もあったみたいね」
「いやそれ、『本人映像』で設定したら出てきたんで」
「天文部が廃部?今の私達みたいね」
「そうねえ、生徒会からの圧力だったり?」
「ええと、おおいぬ座、こいぬ座、オリオン座、これが大三角だっけ」
「冬のでしょ。理科は地学を選択したら?」
「それこの前クイズ番組でやってたし」
「あはは、ばれた?」
「ていうか、この曲どこで知ったの?」
「いやそれはその・・・」
「ディスコとか」
「高校生がそういう所行けるわけないでしょ」
「にしても、あんた、男なのに女声できれいに歌えて、まるで化け物ね」
「はあ」
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