それは輝かしい日々で

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それは輝かしい日々で

 前領主の葬儀が行われた。私はベールを被り黒い服を着てそれに参列した。  前領主は善良で、民のことを考えしかし情に流されすぎない、必要悪というものもわかっている人だった。  跡継ぎである現領主も有能ではあるけれども、あの方以上に有能だとは私には思えなかった。  葬儀が終わった後館に戻り自室に籠もる。あの方が生きていれば、ずっと生きていてこの領を治めていてくれれば、私たち貴族だけでなく民衆も幸せに暮らすことができたのに。いままで当たり前のように享受していた輝かしい日々。それが崩れるような気がした。  私がこの領の財務を担当すると決まったときに、前領主から賜ったインクウェルを見て軋む胸を押さえる。  そして私は叫んだ。
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