妖間と夢

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少女が中学生になった時、またその夢を見た。  コマ送りの画像に音のしないモノクロな夢。  あの時の恐怖が一気に戻り、目を瞑ってしまいたい。早く終われ……心の中で強く思う。  小学生の頃と全く同じだった。自分の庭で引き倒されて、長い爪を足に食い込ませてきて、血を焼いて食われた。  だがニヤリとした老婆はどこへもいかなかった。  ただ、私を見て歯を剥いて笑うだけだった。  パッと目が覚めれば、全身に汗をかいていた。電気をつけて、キッチンまでいき水を飲む。  1回目と違い、何が起こるか分かったからか、起きた時の恐怖感は少ない。  ただ、老婆がどこへも行かず、我が家にいる状態で夢が覚めた事に違和感を感じた。  それから2週間が過ぎ、何事もなかったかと思えば、中学校からの帰り道に、母が珍しく迎えに来て車に乗せられた。  同居していた祖父が病で倒れたそうだ。  制服を着たまま、祖父が入院する病院へと向かった。  朝まで元気だった祖父は曽祖母と同じように複数の機械をつけられて、意識のない状態だった。  再燃する恐怖に少女は怯えた。やはりあの化け物のような老婆の夢を自分が見たせいだ。  結局祖父もこの世を去り、ひたすらに泣いた。  誰にもこの夢について相談する事も出来ずに、結局少女は大人になっていった。  大学生になれば家を出て、就職をし、結婚をし、幸せな時間を過ごしていた。当然あの恐ろしい夢を見る事もなかった。
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