妖間と夢

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 少女は夢を見た。  保育園ではアニメの主人公となり、ジャングルジムの頂点に立ち、采配を振るうような活発な女の子だった。  しかし、怖いものが嫌いで心霊写真などのテレビ番組が始まれば、両親や兄に懇願してチャンネルを変えてもらっていた。  そんな彼女は小学生に入り、兄が家を出たことから、古い一軒家に後から足された洋間の部屋をもらった。  母から離れる寂しさと、1人部屋という喜びを胸に、ふかふかのベッドで眠る。  その日も母がベッドに腰をかけ、絵本を読んでくれれば、深い眠りへと入った。
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