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今日はみんなでかくれんぼ。わたしはかくれんぼや鬼ごっこでみんなを見つけるのが得意なんだ。ぴょんぴょんジャンプしてお願いしたら、じゃんけんなしで鬼にしてもらえた。やったあ、らっきー! わたし、じゃんけん苦手なんだよね。いつもパー出しちゃうの。
まだかな、まだかな。もう探しに行っていいかな。あ、先に30数えるんだっけ。いーち、にい、さーん……。
しゅっしゅっ。はあはあ。なっちゃんたちが隠れるのを待っていたら、変な音が聞こえてきた。あ、なっちゃんの後ろにいる男の人、なんか右手をかしゃかしゃしてる。やだあ、お外なのにパンツ脱いじゃってるよ。 わたし、知ってる。ああいう人って、ヘンシツシャって言うんだ。だからわたしは急いで走る。早く、早く、なっちゃんがびっくりしちゃう前に!
えいっ。
がぶり。
もぐもぐ、ごきゅん。
ぺろりとわたしはまるのみする。えへへ、お残しなしで、すごいでしょ。でも急いで食べたから、あんまり噛めなかったの。うえっ、やっぱりまずい。こういう人の味は、たいてい苦かったり、酸っぱかったりする。ぺっ、ぺっ、もうお水が欲しいよ。お腹壊さないといいなあ。ちょっとだけ気になって、でもそのままぴょんと、なっちゃんに飛びつく。なっちゃん、みーつけた!
「わあ、ゆきちゃん、すごいねえ」
あと、みいちゃんみっけ! ついでに木の上に隠れていたみいちゃんのことも呼ぶ。えへへ、わたしは鼻が利くんだよ。難しい言葉を使ってじゃじゃーんとドヤ顔してみたら、みいちゃんがやれやれってそっぽを向いた。うーん、みいちゃんは厳しい。
でも、みいちゃんもほっとしたでしょ。この公園、変な人多いもんね。みいちゃんったら思いだしちゃったのかな、首を一生懸命なめてる。だからわたしもよしよしってしてあげたら、ちょっとだけひっかかれた。うう、何でよ。
わたしはなっちゃんが大好き。みいちゃんが大好き。
さあ、次は何して遊ぼうか。かけっこ? 滑り台? 好きな人と一緒なら、何をしても楽しいよね! お昼ご飯はなっちゃんが持ってきていた食パンの残りを食べて、公園のお水をみんなで飲む。みんなで飲めば、ただのお水だっておいしいな。
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