9人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は、すぐに店を出ると、近道ということでトンネルに向かった。
少し寂しさはあったが、上をJR線が通っていた。
まだ夕方だというのに、その日に限って他の通行人は皆無だった。
トモミが、さっきの話のつづきを始めた。
「あっ、そうそう、被害者の子は、ほとんど美人だって」
「だから狙う訳?」
「その女も、なかなかの美人らしいよ」
「だったら、ちょっと遭ってもいいかも……」
「えー……?」
『それは良かった』
と後ろから声がした。
トモミは、はっとして駆け出した。
ミカコは呆然として、
「えっ、誰?」
と振り返った。
そこにいたのは、黒くて長い髪がドロドロで、赤いがボロボロのドレスを着た女だった。
ミカコは、その普通の顔を見詰めて、
「あんたは……?」
『いま、あんたたちがウワサしてた女よ』
と言い終わるまでに、突然ミカコを押し倒すと、その顔をミカコの顔に押し付けた。
ジュルジュルジュルー……………!
最初のコメントを投稿しよう!