注文

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暮山皐月は、お腹が空いた。スマホを開く。何故スマホを開いたのか。それはこの後に彼女がタップするアプリを見れば分かる。『Uber the Eats』注文するとその近くに居る配達人登録者が店まで出向き注文品を注文者まで届けに行くシステムだ。配達人登録者は誰でもなれて、いつでもできる。その革新的システムが世界中でブームとなっている。暮山は配達はしないが、よく注文する。よくと言うより、ほぼ毎日頼んでいる。暮山は一人暮らしだ。仕事後に料理を作ったり買ってきたりしてくれるパートナーもいない。そして、暮山は料理が不得手だ。そこに『Uber the Eats』が現れた。暮山が重度のユーザーになるのに時間はさほど掛からなかった。今日は何を頼もう?画面をスクロールすると様々な種類の店が出てくる。よし、今日はカツ丼にしよう。タップして所定の欄に搬送場所をを打ち込む。最後に下の青い欄をタップして、注文完了。暮山は今宵喰らうカツ丼を夢想して少し幸福感に包まれる。いつ来るかなあ。
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