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それでも弟が亡くなってから約1ヶ月は働いていた。
仕事が終わり白衣から私服に着替え車に乗り込むと、大音量で「エアロスミス」を流す。
そして私は号泣しながら車を運転する。
そんな日々だった。
退職した日の帰り道は、これでもうすべて終わったんだ、終わりだ、いっそのこと私もこのまま・・・という考えが一瞬浮かんだ。
じりじり、じりじり、着火しようとしていた。
鼻を真っ赤にしながらの信号待ち。
『What it Takes』
この曲だ。
これを大音量にし、歌えないけど泣きながら車の中でひたすら聴く。
そうでないと私は間違いを起こしそうになる。
自宅の駐車場で、運転席を乱暴に倒した。
カーステレオの音量をもっと上げた。
耳がおかしくなるほど。
「みんな死ね」
「死んじまえ」
「ヒデを返せ」
「死ねーーーーーー!」
両の目から大量の涙を流しながら、私はずっと叫んでいた。
ずっと叫びたかった。
「お前らのせいだー!」
心がついに決壊した。
マッチも炎もダムのような涙で消えた。
「わぁーーーーーーーーーーーーーーー」
声が枯れきった。
気が狂うほど、泣き叫んだ。
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