帰り道

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 携帯の画面には夫の名前が表示されていた。  時計を見ると11時を回っている。  どうせたいした用事じゃないだろうと、通話ボタンを押した。  「もしもし」  「どうしたの?」  「落ち着いて、聞いて」   ざすざすざす・・・と歩きながら話しているのが伝わる。  「秀和くんが」  「自殺した」  8月下旬だというのに真夏日のような空が窓から見えた。
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