帰り道

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 夫は単身赴任先からすぐ帰るとのことだった。  私は・・・  なぜかタオルを丁寧に畳んだり、読みかけの本を読んだりしていた。    真夏の余韻が強く残る日差しが目に染みる。  何をやってよいのか、わからなくなっていた。  時々発作のように泣きじゃくった。それが通り過ぎると、子供たちが帰ってきたらなんと説明しようかと、この後のことがあるから冷静でいなければと、また物を片付けをし始める。その繰り返しだった。  しかし頭の中はずっと真っ白だ。  一体、何が起こったのだ?  私はなぜ、時々しゃくり上げるのか?  秀和が、秀和が・・・。  鼻をかみ、髪を整え、深呼吸する。  9歳と7歳の子供に、叔父さんが死んだって、どう伝えればいいのだろう・・・。  ハムスターがお星さまになったのとは、違うのだ。  
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