帰り道

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 戻ってきた夫と共に、斎場の予約をした。  ほら、泣いていられないじゃないか。  私がしっかりしなければ、安心して弟は戻ってこれない。  悔しいほど星が瞬く夜になった。  そして斎場まで高速を走り、弟は運ばれてきた。  私と夫は、駐車場で待機していた。  間違いなく、この車だ・・・。  それは建物の裏側に回り込んでしまった。  慌てて斎場の中に入った所で、すぐに目に飛び込んできた。  慎重にストレッチャーを運んでいる。  ストレッチャーの上に、白い布がかけられた何かがある。  弟の遺体だとわかった時は顔を覆った。  エレベーターで2階へ上がっていく。    うそだ、うそだ・・・  恐る恐る階段を上る。  秀和が白い布をかけられて、ここに来たことを信じたくない。  でも、現実だ・・・。  和室の控え室にはすでに遺体安置の布団が敷かれていた。  ストレッチャーが去って行く。  そっと部屋に入る。  間違いなく弟だった。  私はきっちりと正座して肩をガチガチにこわばらせて、声を殺して泣いた。  両の手で顔を覆い、その隙間からただただ涙が流れていく。  動けなかった。  どうして、どうして、どうして・・・。  それしか言葉がなかった。  
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