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子供たちは各々、死を理解したようである。
上の子は通夜の時に「おじちゃんの目から涙が出ている!」と気づき、
下の子は火葬場で待っている間、空を見て「おじちゃんは雲になっていくのかな」とつぶやいた。
火葬場では雨が降ったりやんだり、していた。
もう秋が近づいていると感じた。
待っている間、弟の私物をいつ取りに行くかなど話し合うものの、母親が他人事のように考えており、私は非常にイライラしていた。
ちなみに父親は19年前に亡くなっている。
家族3人、でそれぞれ生きてきたのに。
私だけがものすごく怖い顔をし、親戚たちは雑談をしていた。
たいして仲もよくない従姉妹が、「子供好きだから」とうちの娘たちと遊んでいたが、うるさかった。
何のアピールだよと、歯ぎしりした。
こんな時に。
人柄が出るんだな・・・。
自分も含めて。
なんだか私だけ異世界にいるような気分だった。
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