7人が本棚に入れています
本棚に追加
これと言って取り柄のない、どこにでもいるような普通の子。
きっとそれは私のような子のことを言うのだろう。
とりわけ美人でもなければ、頭がいいわけでもない。
だけど、私にはひとつだけみんなと違うところがあった。
*
「はい、みなさん。修学旅行の写真の注文は金曜日までです。忘れずに注文してくださいね。」
「はーい」とクラス内は声をそろえ返事する。
そんな中、私は窓の外を眺めていた。
「璃子ちゃん、昼休みいっしょに写真見に行かない? 未菜、まだ写真選んでなくてさ」
前の席の未菜ちゃんは振り返って言った。
「う、うん……でも、私は……」
私が口ごもっていると、未菜ちゃんは眉間にシワを寄せた。
「どうしたの? 璃子ちゃんは写真注文しないの? 未菜といっしょに写真たくさん撮ったじゃん。行こうよ」
「う、うん。わかった。行くよ」
私は未菜ちゃんの威圧的な態度に、圧倒されて写真を見に行くことになった。
*
最初のコメントを投稿しよう!