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「璃子ちゃんが写ってる写真見つからないね……未菜とたくさん撮ったのに……」
未菜ちゃんはがっかりして肩を落とす。
そんな未菜ちゃんを他所に、私は昼休みが早く終わることを願っていた。
あのことが気付かれないように……。
「あっ! 写真あったよ」
私はその声にハッとして伏せていた顔を上げる。
「あれ? でも、璃子ちゃんが写ってない?」
私は恐る恐る未菜ちゃんが指差す写真を見た。
未菜ちゃんが一人でピースをしている写真。
その右隣には不自然なスペースが空いている。
「確かに璃子ちゃんと撮ったはずなのに……なんでだろう? もしかして心霊写真?」
未菜ちゃんは顔をさっと青くした。
「……」
私はひたすら押し黙る。
「ねぇ、璃子ちゃんなんで写ってないのかなぁ?」
「……」
「ねぇ、なんで何も言わないの? 黙ってちゃ分かんないよ!」
未菜ちゃんはしびれを切らしたように、声を荒らげた。
「……写らないの、私、写真に写らないの……」
「なにそれ、変なの」
未菜ちゃんは冷たい声でそう言って、私の元から離れていった。
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