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そこで目が覚めた。
背中にじっとりと汗をかいていて気持ち悪い。
寒気にぶるりと身体を震わせる。
体調が悪いとき、私は決まって悪夢を見る。
写真に写らないことを馬鹿にされたり、気味悪がられたりしている夢。
平凡な私のひとつだけみんなと違うところ。
それは生まれつき自分の姿が写真に写らないことだ。
この症状は世界でも珍しい病気のひとつで、『リフレクション』と呼ばれている。
この病気に気付いたのは、私がまだ生まれて間もない頃。
両親が赤ちゃんの私をカメラで撮り、写真を現像したところ私が写っていないことに気付いたそうだ。
最初はカメラの故障やプリンターの具合が原因なんじゃないかと考えられていたけれど、それらに問題は無く『リフレクション』の症状だということがわかった。
私が『リフレクション』を認識したのは、幼稚園の遠足写真だ。
集合写真の中にはいくら探しても私が見つからなかった。
母は私に『リフレクション』を患っていることを告げた。
当時、病気を理解できなかった私はもう一度遠足に行くと泣きわめいたそうだ。
それからというものの、私は写真を撮ることが嫌いになった。
写ることができないなら撮る意味がないからだ。
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