「そして私が叫びました」

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 ある日の電車の中。 「なあ?」 「なんすか」  小柄な先輩が、大柄で坊主頭の後輩に説教をしている。 「お前さ? 何で一年生に優しくできねぇの?」 「…………」 「俺言ったろ? 三年生が引退したらお前たちがちゃんと指導してやれって」 「……うす」 「うす、じゃねぇーよ。何で一年に優しくできねーのか聞いてんの」 「…………」  後輩の男の子は不機嫌そうに唇を尖らせつつ、やがて答える。 「……なんで」 「は?」 「先輩が来た時にいっつも先輩が一年のことばっかり見てるのが嫌なんで」  わああああああああああああ!?  そういうことぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?  へぇーーー! えーーーーーー! あ~~~~~~~!! 「馬鹿じゃねぇの?」  先輩は呆れた目で腕を組む。 「お前に教えることなんてもうないって。俺の言ったことちゃんと覚えてるだろ?」 「うす」  ひょえええええええーーー! さらっとそんな! あ、ありがとうございますぅぅぅ! 「まあ、いつでも教えてやるから」 「じゃあ今度。日曜日とかいいっすか」 「あー、まあ……いいよ」  わぁぁぁぁ! その一瞬の間! その間! 色々と考えた結果の……いいよ!!  iiyo----! いいよーーー!いいよぉぉぉぉーーーー!
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