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昼休み。 また私は、グループに校舎の屋上へと連れて行かれた。 罰ゲームを受けるために。 だが、それがどういう罰ゲームなのか、知らされていない。 一体、何をされるというのか… 図体のデカい坂谷が、大きな板を運んでくるのが見えた。 それを屋上の手摺りのところから空中に向けて不安定な状態で設置した。 坂谷は、板の端を手摺の下のコンクリートの上に置き、電動ドライバーで数箇所ネジを差し込み、動かないように固定した。 「よし出来た!」 坂谷がそう言うと、小田切はそれを確認してから、私を板の方に手繰り寄せた。 「ここで、空を舞ってごらん。一回見たかったんだよね。この屋上からの空の舞をさ」 そう小田切がニヤニヤしながら言うと、すぐに私は坂谷に板の上に乗せられた。 「その板の上の一番向う岸まで歩いてごらん。きっと空を舞っているような、まるで夢のような幸せな気持ちに包まれるよ、ほら」 小田切はそう言うと、笑顔で板の上の私の身体を軽く押した。 私は板の上で目を瞑りながら、なんとかバランスを取って、ただ立ち尽くしているのが精一杯だった。 「こら!さっさと前に進め!」 深見が怒鳴りながら、私の身体を軽く、また押した。 私は宙に浮いている板の方にさらに進まされたが、半ば空中の上でバランスを崩しそうになって立っているような状態だった。 だけど、不安定な板が私の体重で揺れ始めているのを見て、心底恐怖を感じた。 このままこの板の上から落ちたら、間違いなく地面に叩きつけられ、粉々になって死ぬ…。 「もっと向う岸まで行って。その彼岸の彼方に、人類がついぞ味わったことがない桃源郷があるんだよ」 小田切は満面の笑みを浮かべてそう言いながら、私に、さらに先まで歩くよう促した。 だがその時、急に強い風が吹いてきて、板がこれまで以上に揺れた。 私の足場はさらに不安定になった。 板はガタガタと強く揺れはじめ、私は、身体のバランスを取ることが、もはや全く出来無くなった。 一瞬、足の裏が板から浮き上がり、完全に離れたのがわかった…! 嗚呼!もう、このまま落ちて、叩きつけられるだけ… と、 そう思った瞬間、 いきなり強大な力が、私の腕にのしかかった。 私はその強大な力の何かに片手を掴まれ、次の瞬間には校舎の屋上の方に、身体ごと放り投げられていた。 屋上の地面のコンクリートの上に身体ごと叩きつけられたので、身体は痛かったが、しかし、板の上から落下して地面に叩きつけられる恐怖からは完全に解放されたことをすぐに悟った。 一体何が起こったのか?? と思い、辺りを見渡すと、何やら3メートル近い巨体の、訳の分からない風体の生物が、あの図体のデカい坂谷を片手で吊るし上げた挙句、すぐに投げ飛ばしたのが見えた。 何だ?あのバケモノみたいな生物は?! 巨体の生物は、すぐに坂谷の隣にいた深見を捕まえて、また軽々と深見を投げ飛ばした。 かなりの力で投げ飛ばされたからか、まるで深見はドッヂボールのようによく飛び、終いには屋上の地面に叩きつけられて気絶した。 顔面蒼白になっている小田切は、急に子供のように泣きじゃくりながら逃げ惑ったが、すぐに巨体な生物に捕まり、生物の片手で高く高く吊るされた挙句、また深見のように遠くの方に投げ飛ばされ、屋上の地面に叩きつけられて気絶した。 そして巨体な生物は、ようやくフラフラと一人立ち上がってきた坂谷にさらに向かっていくと、いきなり強烈なフックを浴びせかけ、坂谷をその場に沈めた。 何が巻き起こっているのか? 私には、何がなんだか、全く訳がわからなかった。 勿論、あのバケモノのような生物が何者なのかも、私にはさっぱりわからない。 ただ、わかったことは、 私は、取り敢えず、屋上から板の上を歩かされた挙句、そこから落下して、地面に叩きつけられて死ぬことは無くなった… ということだけだった。
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