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「また来たの? 王子くんも暇なものね」 森の奥深く。少し髪の伸びた少女は、木の影から現れたサン王子を見つけため息をついた。 「またって……ひと月に1回だけだろ」 「そうだった?」 「俺の唯一の休暇だ」 サン王子は以前より背が伸び、筋肉質になって、表情まで逞しく見える。 少女はほんのり嬉しそうな様子で大きな木の根に座り、枝にとまっている青い鳥へ華奢な手を差し出した。青い鳥は少女の腕へと飛んできてそっととまる。 その横顔に見とれていたサン王子は、ハッとしたように話し出す。 「俺、先日の馬術競技で優勝したんだ」 自慢げに言ったけれど 「……そう。馬術なんて見たこともないわ」 少女はつまらなそうな返事をしただけだった。
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