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「なあ、国外へ共に逃げないか?」 いつも偉そうな口調とは違い、真剣な声色だった。 「王子なのに国を捨てるの?」 「父はまだ若い。俺が王になるにはあと何年かかるか」 サン王子は苦しそうな表情だが、少女は微笑んだ。 「ありがとう、王子くん。でもね、私がいなくなれば、次の子が生贄にされるだけ」 少女は、いつもと違い、暖かみのある目をして続けた。 「いいの。私が森で暮らすだけで、国が平和でいられるんでしょう?」 そんなこと君は信じてないだろう? と、サン王子は泣きそうに笑った。 青い鳥がサン王子の肩へと飛んできて、よく響く声で囀った。
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