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「バケモノって……」 「俺の質問に答えろ! もっ、もしかしてお前が」 少年は震える手で剣をぬき、少女へ向けた。けれど少女は怯むことなく、青い瞳で真っ直ぐに少年を見据えている。 「“バケモノ”と呼ばれてるのは私だと思うわ」 「しょ、正体を見せろ!」 少女は困ったような顔をした。 少年は、剣を持つ手に力が入る。 「あなた、なんのつもりか分からないけど、見つかれば殺されるわ。早く森から出て」 「お、俺はこの国の第一王子、サンだ! バケモノを殺しこの国を守るために来た!」 サン王子は緊張で声が裏返りながらも少女に言い切った。でも、少女は一気に大きな目を細め、冷めた瞳でサンを睨みつける。
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