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「この森にバケモノがいるなんて、王家の嘘。この国ではね、大昔から青い瞳の女をひとり、森に生贄として捧げているの。そうすることで国が平和になるのよ」 「そんな、バカな……」 「そんなこと、馬鹿げてる。って王家も思ってるのかもしれないわ。バケモノがいるなんて嘘の話で森を禁域とし、生贄のことも国民に隠してる。あなたのお父様は当然すべてご存知よ」 サン王子は理解が追いつかないが、不思議に思う節はあったのだ。 なぜ、バケモノがいるといいながらその姿形が語り継がれないのか。なぜバケモノは森から出ないのか。討伐に向かい壊滅したという兵士の慰霊碑もどこにも無い。 「こんな私、死んでるも同然。だから殺したいならどうぞ。ただ……何も知らないあなただから知らないと思うけど」
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