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少女は凍りついた瞳で微笑んだ。 「私には見張りがいるの。もし目をつけられたら、例え王子でもどうなるかわからない。早く逃げて」 サン王子はどこか一点を見つめたまま何かを考えている様子で、その後ゆっくりと口を開いた。 「君も一緒に行こう」 少女は少しの間を置いて、馬鹿にしたようにクスッと笑った。 「そのあとどうするの? 私は行き先がないし、国への反逆罪で私の家族の首が跳ぶわ。そろそろ戻らなきゃいけないの。帰り道は分かる?」 「……どうしたら、君を助けられる?」 それでも落ち着いた口調のサン王子に驚いた少女は、しゃがんでから膝で頬杖をついた。また、口角だけを上げてにっこりする。 「あなたが立派な王様になってくれたら」 遠くで、夕刻を知らせる教会の鐘の音が響いた。
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