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晴天の下、今日も平和なこの国に、欠伸をしている2人の城の門番がいた。1人はノッポで険しい表情、もう1人は小太りで穏やかな表情だ。
「おいおいおい、聞いたかい? あのバカ王子がなあ」
小太りが呑気に言った。
ノッポが焦って睨みつける。
「しっ! お前こんな所でその呼び名言うなよ。あれだろ? 城抜け出して迷子になったって話。さすがだよな。未来の王がやらかしてくれる」
ノッポは大きなため息をついたが、小太りは微笑み首を振った。
「違うよお。なんだかやたら気合いが入ってるって話でなあ」
「はあ? なにをだよ。まさかついに女か」
「そうじゃなくてえ。勉学に……剣術に馬術に……えーとあとは忘れたなあ」
ノッポは目を見開いて、小太りの顔を見た。
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