アルクツルス

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アルクツルス

ファーッハッハッハッ! こんな面白れぇ酒のつまみは生まれて初めてだぜ! 今頃あいつ、泡拭いて倒れてんじゃねーか? ハンッ、イイザマだぜ! 『私が人間だ』『私こそが人間だ』って、 壊れたレコードみてーに何度も何度もクドクドクドクド聴かせやがって。 流石に本物の人間が産まれたとなりゃ、 ホラ吹きまくるのもやめるだろう。 あいつ、もうサンバには着いてるよな。 血の気が引いて青くなった顔が目に浮かぶわ! ま、作りモンの皮膚がおいそれと青くなるワケねーけどな。 あいつが人間だなんて事、『人間協会』の奴らは信じ込んでいるけど、 俺はあいつが人間ではないと、一目見る前からわかっていた。 キメラは匂いがクセーんだよ。 こんな些細な違い、完全体の俺くらいしか気付けないだろうがな。 それなのに信者のキメラどもめ、『総裁万歳』って担ぎやがって。 クズがクズを調子乗らせんなよな。 人間にはな、尊厳があるんだよ。 誇りを持っているのが人間なのさ。 だから、人間が人間を担ぐなんて、あるわけないだろ! 恥を知れ! 人間の名を語るなら、もうちょい賢くなって貰わなきゃ困るんだよ。
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