4章

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「帰ったぞ!」  何かを手にして立ったまま視線を床に落としていた彼女は、俺の姿を見るやいなや弾かれるように駆け寄って来た。 「エロンソ様!」  俺は潤んだ瞳の彼女に手を伸ばす。すると背中にそろりと手が這った。込めた力の分だけ返ってくる腕の圧が心地よい。  しかし、明らかな異変があった。 「……コンスタンサ。あの荷物は何だ?」  さっきまで彼女がいた場所に大きなトランクが置いてある。そして机の上には針一つ置いていない。
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