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血気盛んな父の下にいるだけあって、うちの衛士共は少々野蛮だ。俺は一度自室の向かいの部屋を確認した後、離れに向かう。
「おい」
新入りの門番が、緊張した面持ちで持っていた槍をキュッと握り直す。
「……コンスタンサ嬢が中にいるだろう」
「はい! ガリレオ様の御達しで!」
予感的中だ。我が父ながらなんと薄情な。
「俺が用意した部屋に移してやってくれ。こんな牢獄紛いの部屋に押し込められては気の毒だ」
「わ、わかりました……」
俺たちは薄暗い階段を登り、囚われの姫を迎えに行く。
「おい女、出ていいぞ!」
俺は彼を睨んだ。
「女という言い方があるか。俺の妻だ」
隅の埃っぽい椅子に座っていたコンスタンサ嬢はお古のカーテンであつらえたような粗末なワンピースを着せられている。
「……囚人みたいな扱いをしてすまない」
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