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ちょこっとえすけーぷ
壁はコンクリートの殺風景な倉庫のような部屋である。
ドアは鉄製、窓も高いところに明かり取りのはめ殺し窓があるだけで、声を出しても外には聞こえそうにない。
冷たいタイルの床の上には、申し訳程度にボロ毛布が一枚置いてあったから、美百合はその毛布にくるまり、ようやっとのことで暖をとっていた。
部屋の隅にうずくまっているのは、そこなら背中に風が吹き抜けない、それだけの理由である。
やがて、足音が聞こえてきて、鉄製のドアがきしみながら押し開けられた。
入って来たのは、黒服に身を包んだ3人の男たち。
真ん中のとりわけ厳つい男が、美百合を見下ろしながら、
「こいつが忍び込んでたっていうネズミか?」
呆れたように唇を歪ませる。
「ずいぶんと可愛らしいネズミじゃねーか」
美百合に向かって手を伸ばしてきた。
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