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「ううん。異星人からのメッセージかあ」
そして、物理学科の宇宙関連の研究室にて。優紀はどうでしょうと写真を見せていた。すると、この研究室の助教である井原伸也はどうだろうなあと顎を擦る。まだ、まだ健太郎よりはマシな反応だった。
「古代の遺跡に紛れ込んでいたんですよ」
「ほう。それはロマンがあるね」
「ですよね」
ようやく同調してくれる人がいた。優紀のテンションは俄然上がる。
「まあ、今度ある天文学会で報告しておくよ。詳細なデータを貰っても大丈夫かな」
「は、はい」
こうして異星人からのメッセージは伸也の手に託されたのだが――
「危なかったですね。まさか日本に落ちていただなんて」
伸也はすぐに受け取ったデータと写真をパソコンである人物に転送。そしてそう報告の電話を入れていた。
「ああ。間一髪だったな。あの男の上司は信じていないようだから、後は君の方で適切に処理しておいてくれ。この頃急速に技術発展した地球に調査隊を派遣しておいて良かった。まったく、昔の科学者の後先考えない所業を回収するのも大変だよ」
「ええ」
頷いた伸也の目が怪しく黄色に輝いていたことを、異星人からのメッセージと正しく解釈した優紀は知らないままだった。
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