初仕事【直江 司】

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「あぁすげぇ気持ちよかった。遠野君も気持ちよかったよね?」 「…あぁ、はい…」 そんなわけねぇだろカス。 クソジジイが…。 しかし42歳とは思えない美貌。若々しさ。 水を含んだ肌は湯気を漂わせて、色香を放っている。 「…反則だろ。色々と…」 思わず漏らした俺に、直江さんが細い首をかしげる。 何でもないですと目を逸らして起き上がろうとするが、腰が立たなかった。 「ごめんね。俺が無理にしたから」 「……」 そうだよ。あんたのせいで…。 口を閉じたまま首を振り、直江さんに起こしてもらう。 優しい手だった。 俺の背中に手を回し、ゆっくりと体を起こす。 フラつく体を椅子に座らせ、シャワーで体を流した。 「今度はちゃんと洗うから。大事な所もね。汚しちゃったから綺麗にしないと」 「いいです…。自分でできますから」 「フラフラなくせに。もう何もしないから安心して」 洗うことは何もしないことに入らないだろうが…。 無抵抗の俺を本当に優しく洗って、出してくれた。 ふわふわのバスタオルで体を拭いてもらい、ドライヤーで髪を乾かしてもらった。 「遠野君。また指名するから。また俺に会いに来てね」 「…ありがとうございます」 ぜってーやだ! だけど俺に拒否権はないので、32の現在まで2年近く、俺は直江さんに会い続けている。
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